とよ田みのる『これ描いて死ね』(1~2巻)ゲッサン/小学館
マンガ大賞とは 今一番フレッシュなマンガを選考員の投票で決める賞です。
選考対象作品は、前年の1月1日から12月31日発売された単行本で、8巻まで発売されているマンガ作品から選ばれるそうです。一次選考では、各選考員が人に薦めたい作品を5作品選んで、多くの選考員が選んだ上位10作品がノミネート作品として二次選考へと進みます。その中から選考員が10作品全てを読んだうえで、トップ3を選んで、大賞が決まる、ということです。(マンガ大賞2023 cartoon grand prizeより)
とよ田みのるさん、このマンガに関係するみなさま、おめでとうございます。
そして、ありがとうございます。
書店員としては、〈話題になる→みんな気になる→買ってくれる〉になると、たいへん嬉しい。(人気商品になると、発注担当者は追加のタイミングを逃すと大変。頑張ってください)
マンガ大賞は、多くのマンガ愛に溢れる方々の選んだマンガの中で、多くの支持を集めた最推本の発表の場です。
近年、電子書籍も気軽に購入できる環境が増えたため、「本屋さん大変だね」と言われています。
正直言うと、以前から結構ずっと言われ続けてますが、確かに本屋さんが少なくなっているのは事実。しかし、「紙で読むのが好き」という方もまだまだいらっしゃいます。
本屋大賞もそうですが、こうした本の賞が続いていくということはありがたいことです。
今は各地で、地域に密着した賞とかありますよね。
思いがけず、著名な方が自分の地元を舞台に作品を書かれていたりすると、嬉しくなります。
実は、長年書店員をしている1ミリ書店員は、こういった活動に参加したことがありません。引きこもり書店員ゆえの「1ミリ」です(仕事はちゃんとしています)。
ひっそりと、本に関わる色々な活動を応援はしています。
さて、マンガ大賞2023において、めでたく大賞に選ばれた『これ描いて死ね』ですが、私は全く知りませんでした(すみません)。そのため、大賞に選ばれたと知ったとき、まずタイトルに驚きました。「○○をするまで死ねない」などは、良く聞きますが、「死ね」という言葉のインパクトは強い。
おかげで、まんまと「どんな内容か」と気になってしまったのですよ。
選考員の方々のコメントを読んで、「漫画愛に溢れる漫画好きが、漫画のマンガを描いている」という印象を受けました(注:私はまだ作品を読んでいません)。この作者の作品を全部読んでいる方も多いようです。コメントの中で、ペン先に殺意をのせて描いている、面白さで殺すなどの表現があったので、極端にコメディ的な内容かもしれないと思っていましたが、「殺す気で描いた世界一優しい漫画」という言葉に惹かれました。(ちなみに吉本興業のムーディ勝山さんのコメントでした)
二次選考に挙がった10作品に対するコメントは、webで読めます。どれも熱いコメントばかりです。気になった方は、ぜひっ。
個人的に読みたいのは、『これ描いて死ね』はもちろんのこと、トマトスープ『天幕のジャードゥーガル』と地主『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』です。
素朴な感想ですが、最近は作者の名前が変わったものが多いですよね。
どんな人におすすめ?
- 最近、なにか面白いことないかなーっと探している人。
- マンガ好きと知っているお得意先の人との、会話のきっかけを探している人。
- 何かに熱中するものを探している人。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございます。