【本の感想】なぜ人類は攻撃されているのか。未来から過去へ、戦い続ける“使いの王”と、未来が始まる時を生きた“邪馬台国の女王”|小川一水『時砂の王』

小説
Ⓒ1ミリ書店員

こんにちは。
休みの日は家の中でじっとして、まるで廃人のように息だけをしている1ミリ書店員です。
秋になり、涼しくなるのは嬉しいですが、気温の変化が体調に影響するようになって、元気微減。
みなさまが健やかにお過ごしであることを願います。

さて、再読キャンペーンと称して、以前読んだ作品をもう一度読み直してみました。
せっかくブログを書いているので、昔「凄い本読んだな」と思った本をご紹介します。
気になって読んでいただけると幸いです。

小川一水『時砂の王』早川文庫

こちらの作品は、2007年10月に発売された文庫書き下ろし作品です。
著者の小川一水さんは、SF小説を主に書かれている作家で、日本SF作家クラブ会員です。

『時砂の王』は、西暦2598年に作られた人工知性体メッセンジャーが、人類を襲うETを根絶し、人類を救うために、時を遡ってETと戦うお話です。

1人のメッセンジャー・O(オーヴィル)が、最終決戦となる西暦248年の邪馬台国へ向かい、女王・卑弥呼に出会います。
卑弥呼は、人類がETに壊滅させられる未来の話を聞き、ともに戦うことを決めます。

さまざまな時代で、その時代の人類に戦うことを求め、ともに戦ってきたメッセンジャーたちですが、ときには見切りをつけ、時間遡行をせざるをえない状況もあり、Oのやるせない気持ちも描かれています。
人類のために戦うものとして生まれた人工知性体ですが、戦いから逃れようとするものも出てきたりと、人間味溢れる彼らです。

また、ある時代の人類が消滅すると、彼らの子孫によって生まれた知性体が一気に消滅したりします。
時間の枝分かれみたいなことになり、メッセンジャーたちが関わることによって、それがどんどん複雑になっていくようでした。

そんな中で、戦い続ける彼らと、もう後がない切迫した状況に、緊張感が高まりました。

1ミリ書店員は、科学とか、時間軸がどうのということに関して、聡くない人間です。
昔読んだときに、途中で「さっぱり?」と頭を悩ませたことを思いだしました。
今読めば、そこまで難しいことは書いてないように感じます。

1ミリ
1ミリ

理解。

ラストで、メッセンジャー・オメガやアルファがでてきたのですが、昔はなんとも思わなかったのに、うっかりBL(ボーイズラブ)を思い浮かべてしまいました。
オメガバースを知ってしまった私をお許しください。
オメガバースとはなんぞやと思われた方は、おうちで、ひとりで、ネット検索してください。

『時砂の王』どんな人におすすめ?

  • SF作品が好きな人。
  • 歴史的な有名人が出てくる作品が好きな人。
  • 想像力がかなり豊かな人。(個人的にETを想像しにくかったため)

余談

著者の小川さんは、個人のサイトを運営されています。
そちらで拝見したプロフィールが、ちょいちょい突っ込みを入れたくなるものになっていました。
例えば、家族構成に「妻1、男児2」とあったのですが、「妻1」って……。
基本的に日本は一夫一婦制なのでは……。

1ミリ
1ミリ

なんてね。

今回も、最後までお読みいただきありがとうございます。

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