こんにちは。
某書(すでにタイトルに記載)を買い逃した1ミリ書店員です。
「あれから17年。あのシリーズの最新刊」です。
分かる人にはすぐ分かる。
そして、分かった人はきっと購入しているでしょう。
正直に言うと、勤務先なら予約無しで問題なく買えるだろうと、たかをくくっていました。
地方の店舗なんでね。
しかし!
それは、ご利用くださるお客様を侮っていたということと、同義でした。
すんませんっ!!
発売日当日、開店後、早い段階で売り切れたって……。
注文数も事前に聞いていましたが、やはり人気商品ゆえ、満数入荷することなく……。
それでも、いけるかなと思っていたのですが、残念な結果に。
当日は午後からの勤務だったので、出勤前に買おー、と思っていた自分の後頭部をはたきたい。
さて、今日はそのお話。
京極夏彦『鵼の碑』講談社ノベルス
百鬼夜行シリーズと呼ばれる、古書肆「京極堂」の店主・中善寺秋彦(神主でもある)が、怪異を祓うお話です。
その最新作!
冒頭に少し書きましたが、なんと、前回の『邪魅の雫』発売から17年経っていたんです。
発売当時に生まれた子は、すでに高校生ですよ。
こんなエンターテインメントを創りあげることは大変だと、重々承知の上ですよ。
それでも、17年は長くないですか……。
もちろん先生に本を書く健康があってこその読者ですから、読めるだけでありがたいんです。
こんなことを言っておきながら、実はまだ『鵼の碑』を入手できておりません。
自分のところで買いたいので、我慢しています。
なので、読んでおりません。
ごめんなさいっ
いつもなら、読んでから【本の感想】をアップするのですが、それができないため、こちらでご紹介してます。
百鬼夜行シリーズは、どんな内容?
百鬼夜行シリーズは、基本的に中善寺さんが引っ張り出されてしぶしぶ対応するという感じです。
お友達(?)の関くんと、刑事の木場さんと、探偵の榎木津さんが主な登場人物。
といっても、毎回皆さんが均等に登場されるわけではありません。
そして、周辺人物の数が結構多いです。
それがまた、色とりどりで良いんです。
いつも同じこと書いているような気がしますが、面白いお話には、魅力的な人物が欠かせません。
私は、探偵の榎木津さんがお気に入りです。
彼メインの作品もあります。
中善寺さんは、ホームズ的なところもあるので、基本的に真実は最後まで分からないです。
最後の事件の畳みかたには、ぐう、というしかない。
まあ、探偵的な役割の人って、結構そうですよね。
「摩訶不思議なものに対して、視点を変え、現実的に検証し、心に巣くう魔を祓う」
これが、私なりのこのシリーズに対しての解釈です。
(的外れだったら、ごめんなさい)
だから、ファンタジーではないです。
「小説は全部ファンタジー」という意見もありますが……。
それは、今は横に置いておきます。
それでも、ファンタジーを読むときのワクワクと、ミステリーを読むときのドキドキが感じられて、それが止まらないのが、百鬼夜行シリーズ。
民俗学などをベースに作り上げられ、その知識も膨大(?)に載っています。
このシリーズの最初の作品である『姑獲鳥の夏』を初めて読んだ時は、読むのに時間がかかったことを思い出しました。
そして、1回では理解出来なかったような……。
そのため、読後の感想は、無いに等しかったです。
一体自分は何を読んだのだろうかと、呆然としたような記憶があります。
多分、当時自分に蓄積されていた知識や経験とすりあわせても、かみ砕けなかったんだろうと思います。
デビュー作がこれってどういうことっ!?
という感じでした。
この作品を読んだ後か先かは記憶にないのですが、大塚英志さんの『木島日記』原作のマンガ(森美夏画)で折口信夫を、恩田陸さんの常野物語シリーズで柳田国男を知り、民俗学というものがあることを知りました。
民俗学といっても、さまざまな分野があると思います。
その中で、伝承などの昔から語り継がれているお話に対して、不思議で怖いものというイメージがぬぐえず、怖いものが苦手な私は、本当に怖くなる前に、これらの類いの本から距離を置きました。
しかし、百鬼夜行シリーズは、読んでしまったんですよね。
本当に、なぜ読もうと思ったのかを思い出せないんです。
まあ面白いなら良し、ということで読み続けますっ。
恩田陸さんの常野物語シリーズも、怖い話ではないですよ。
うろ覚えですが、せつない気持ちが思い起こされます。
不思議な話は、好きなんです。
早く読みたいな。
余談
実は発売日当日に、京極先生の新刊があるはずであろう書棚で、私が出勤前にしていたのと同じような動きで、そこにあるはずの、しかし全く姿が見えない書籍を探していたお客様がいらっしゃいました。
絶対、京極先生の新刊を探していましたよ。
同志おじさまよ、しばし待て。
でございます。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございます。