【本の感想】自分がゴキブリの本を読んで、面白いと思う日がくるとは思いもしませんでした|大崎遥花『ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う』

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Ⓒ1ミリ書店員

こんにちは!
1ミリ書店員です!
カラ元気が板についてきた生き物です!
暑さにはお気をつけください!
今回ご紹介する本は、若き研究者の日常を、研究とはどういうことをするのかを教えてくれます!
将来何がしたいか検討もつかない子どもたちよ、読め!

1ミリ
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強くでて、すみません。
良かったら読んでください。

大崎遥花『ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う』山と渓谷社

『ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う』は、どんな内容?

クチキゴキブリを研究している大崎遥花さんの研究生活について、分かりやすく、一般人にも興味が持てるように書いてあるエッセイです。

1ミリ
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「エッセイ」は少し軽すぎたかな。

「研究者の歩き方」かな?

クチキゴキブリとは、私たちが「G」と呼び、私たちの部屋に現れては絶望と狂気の世界へ殴り飛ばす「黒いあれ」とは違います。
南が生息地域だそうです。
沖縄とか。

なぜ大崎さんがクチキゴキブリに興味を持ったのかと、研究生活に至るまで、私たちが普段知ることのない研究者としての生活も知ることができます。

ちなみに、クチキゴキブリは雄と雌が番うとき、お互いの羽を食い合うそうです。

ほら、興味でてきたんじゃないですか?

『ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う』を読んだ感想

以前、川上和人さんの『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』を読んだときも思ったのですが、研究者の書く一般向けの本は面白いです。

川上さんの場合は、川上さんだからこその文体、突っ込みの言葉のセンスなどもあるかと思いますが、大崎さんもじわじわくる面白味が溢れています。
もちろん頭も良い方たちなのだと思いますが、なにかを突き詰めて研究する人は、ユーモアにあふれてしまうんでしょうか。

研究者って大変そうとも思いますが、その大変さを楽しんでいることも伝わってきます。

「やっぱり好きなことをしている」ということが根底にあるから、それに付随する面倒なことや嫌なこともこなすことができるんだなと、しみじみ感じました。

さらに、大崎さんは絵もお上手!

正直いうと、本当に「G」が苦手な人は見ない方が良いかもしれません。
点描で表現されているのですが、かなりリアル。

私は、ただの昆虫の絵だと思い、耐えました。
でも本当に上手だから、困った。

実は私、昆虫が苦手です。

蟻やダンゴムシなら、地面に這う姿を立って眺めるくらいなら問題ないです。遠くで空中を飛ぶトンボや蝶を見かけるのは大丈夫。
あえて見に行くなんてことは絶対しません。

本体が柔らかそうなのが一番ダメです。

イモムシとか論外。

そんな私が読んでも面白かったと言えるのだから、昆虫に拒否感がない人は問題なく読めます。

大崎さんの先生のお話や、同期の方のお話もあり、一風変わった仲間たちに囲まれて、やっぱり楽しそうだなと羨ましかったです。

1ミリ豆知識

ちなみに、「G」は衛生害虫です。
衛生害虫とは、「ヒトに対して直接的な被害を及ぼす虫を衛生害虫」で、チャバネゴキブリ・クロゴキブリがそうらしいのですが、「細菌付着昆虫(細菌等を媒介する昆虫)」だそうです。
(東京都保健医療局 東京都多摩小平保健所サイトより)

確か本書にも書いてあったのではないかと思いますが、ぼっとん便所(知らないこどももいるかも)に集っていた「G」がその足で、人家の水屋を平気で歩き回ること考えると、「清潔とは!?」ってなりますよね。

どんな人におすすめ?

  • 小説ばかり読んでいて、ちょっと別の本を読もうかなと思っている人。
  • 次は何の新書読もうかなーって思っている人。
  • 「怖い物見たさ」な感情が抑えきれない人。

余談

本書は、私が勤める書店にも在庫がありましたが、他の昆虫の図鑑や読み物にくらべるとポップな色味で、ちょっとした違和感に笑ってしまいました。

『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』もそうでしたが、ある分野に特化した研究者が書いた一般向けの本は、子どもたちに積極的に読んでもらいたいです。

私も子どもの頃に、こういった本を読みたかったと切に思います。

今回も、最後までお読みいただきありがとうございます。

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